
屋外で使っている木材は、雨風や紫外線の影響を受けやすく、年月とともにひび割れや欠けが目立つようになります。
そのまま放置しておくと、劣化が進行し、見た目だけでなく安全性にも関わる問題へとつながることがあります。
こうした木部の補修に役立つのが「木材用補修パテ」です。
この記事では、屋外での木材補修に適したおすすめのパテを厳選し、特徴や選び方、使用時の注意点までわかりやすくまとめました。
補修作業を成功させるためのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 屋外向け木材補修パテのメリットやデメリット
- 補修作業で失敗しないための選び方
- 正しい使い方や施工時の注意点
- 屋外補修に適したおすすめパテ
Contents
屋外で使える「木材用の補修パテ」おすすめ7選
まずここでは、耐久性・防水性・使いやすさなど、実用性の高いポイントをもとに厳選したおすすめ商品をご紹介します。
DIY初心者でも扱いやすく、補修後も美しく仕上がるものを中心にまとめていますので、商品選びに迷ったときの参考にしてください。
セメダイン 木工パテA 1kg(ラワン)

水性タイプで臭いが少なく、屋外の木材補修に安心して使えるパテです。釘穴やひび割れなどに対応し、乾燥後は研磨や塗装も可能です。長時間乾燥を防ぐ容器設計で作業性にも優れ、業務用サイズなのでコスパも高いのが特徴です。
建築の友 エポパッチ 木部用 EP-G1

10分で硬化するスピード施工が可能な補修パテです。グラスファイバーネットと併用することで、最大60mmの穴も補修できる高機能タイプです。耐水・耐熱・耐薬品性に優れており、屋外でも長期間美しく保てます。
アサヒペン 木部補修材 M001(こげ茶)

密着力と耐候性に優れた木部用充填材で、雨や湿気の多い屋外環境でもしっかりと補修効果を発揮します。水や油を混ぜずにそのまま使えるので作業が簡単で、補修後は水性・油性塗料の上塗りも可能です。
アサヒペン ワンタッチ補修材 W104(こげ茶)

パウチ式で手を汚さず補修できる使いやすさが魅力です。屋外の木材にしっかり密着し、雨水の浸入を防ぎながらひび割れや隙間をきれいに補修します。塗装の下地としても優れており、DIY初心者にもおすすめです。
コニシ ウッドエポキシ #26056(90g)

2液混合型のエポキシパテで、湿った木材にも使える優れた耐水性が特長です。屋外の深い割れや欠損も厚塗りでしっかりと補修できます。硬化後は肉やせが少なく、切削や塗装も可能なため、プロレベルの仕上がりになります。
建築の友 エポパテ 木部用 EP-01

練るだけで使える簡単施工の補修パテです。屋外の木部の割れや欠け、穴の補修に最適で、10分で硬化するため時間をかけずに作業できます。幅広い素材にも対応し、耐水性・耐薬品性にも優れているので安心して使用できます。
シャープ化学 もくもく補修材NB(ナチュラルブラウン)

ログハウスやウッドデッキなどの屋外木部に最適な補修材です。手絞りできるパウチタイプで少量使いに便利です。硬化後は弾力のある仕上がりとなり、床面など人が歩く場所でも使用できるほどの強度があります。
内覧者から指摘された、玄関の木の柱が腐ってるところの補修した。
— 北条のボロ戸建てDIY奮闘記 (@w7no6VuZcPKYEMy) March 30, 2024
木材用の補修パテで補修して、その後余ってた水性塗料で塗装してみた。
外だけど水性塗料でよかったんかな?
一応、屋根あって雨で濡れにくいので大丈夫かな?
水性塗料は何度も重ね塗りしないといけないから油性塗料が好きだな。 pic.twitter.com/9d6Mra18e3
屋外の柱が腐ってきていた。木材用パテで補修。24時間後にヤスリでデコボコを滑らかに削って塗装の予定。 pic.twitter.com/CGiW5S1mNh
— kubota (@team_kubota) September 7, 2023
屋外向け木材用補修パテのメリットとは

耐久性が高く屋外環境に強い
木材補修パテの中には、屋外環境に特化した高い耐久性を持つ製品が多く存在します。これは、住宅の外壁やウッドデッキ、ベランダの木製手すりなど、日々直射日光や雨風にさらされる場所での使用を想定して設計されているためです。
このような場所では、たとえ小さなひび割れでも放置しておくと、そこから雨水が入り込み、木材の腐食やシロアリの被害につながることがあります。そこで重要になるのが、しっかりと長期間補修効果を維持できる耐久性です。
屋外用パテは、通常の室内用と比べて、温度差や湿度変化による伸縮にも強く、時間が経っても剥がれにくい特徴があります。また、硬化後は割れにくく、多少の衝撃にも耐えられるため、歩行が多い場所や荷物を置くようなスペースでも安心です。
水や湿気に強い防水性のある製品が多い
屋外で木材補修を行う際に欠かせないのが「防水性」です。木材は水分に非常に敏感な素材で、濡れると膨張し、乾くと収縮する性質を持っています。この繰り返しによって、木の構造に負荷がかかり、やがて割れや歪みの原因となることも珍しくありません。
このような性質をカバーするために、屋外用の補修パテには高い防水性が求められます。多くの製品は水を通しにくい成分で構成されており、一度乾燥すれば雨や湿気に強く、木材を内部から守る役割を果たします。
例えば、雨に直接さらされるウッドデッキや花壇の縁、屋根の軒下などでは、補修部分が常に湿気や雨滴にさらされます。このとき、パテが水を弾く性質を持っていれば、木材の内部に水分が浸透するのを防げます。結果として、補修した部分の劣化を大幅に遅らせることが可能です。
木材との密着性が良く、ひび割れや穴埋めに最適
木材補修パテを選ぶ際、密着性の良さは非常に大きなポイントです。どんなに性能が優れたパテであっても、木材にしっかり密着しなければ、時間が経つにつれて隙間が生じ、補修効果が失われてしまいます。
特に屋外の木材は、表面が湿っていたり、ザラついていたり、汚れていたりすることが多いため、パテの密着力が問われるシーンが多くなります。そのため、屋外用のパテには、木材にしっかり食い込むような粘着性と硬化性が求められます。
これがしっかりしていれば、小さなひび割れはもちろんのこと、指が入るほどの大きめな穴でもきちんと塞ぐことができます。また、補修後のパテが木の色や質感に近ければ、補修箇所も目立ちにくくなり、美観を損なうこともありません。
比較的手軽にDIY補修ができる
木材補修パテの魅力の一つに、専門的な知識がなくても扱いやすい点があります。特に屋外用のパテは、初心者でも使いやすい形状や性質で設計されているものが多く、DIYでの作業に向いています。
市販されている多くのパテは、手で押し出せるパウチ式やチューブ式の簡易容器に入っており、工具が少なくても使えるようになっています。付属のヘラでなじませるだけで補修が完了するため、施工も難しくありません。
また、製品によっては乾燥時間が短く、作業後すぐに次のステップへ進めるタイプもあります。このため、週末の空いた時間にサッと補修を済ませたい方や、業者に依頼するほどではない小規模な傷に対して、自分で対応できる点は非常に助かります。
屋外向け木材用補修パテのデメリット
完全に自然な木目は再現できない
木材補修パテを使ううえで知っておくべき注意点の一つが、「本物の木目と全く同じ見た目にはならない」ということです。
パテはあくまで欠けやひび割れを埋めるための素材であり、塗装で色味を近づけることはできても、木材本来の年輪や凹凸まで再現することは困難です。
これはパテの性質上仕方のないことで、固まると均一な表面になるため、周囲の木目模様とどうしても差が出てしまいます。特に、節や木の筋がはっきりと出ている部分では、補修跡が目立ちやすくなります。
そのため、見た目にこだわる場合は、補修後にウッドグレイン(木目風)のステインや塗料を使って模様を描き足すといった工夫が必要になることもあります。とはいえ、完全に同じ木目を再現するのは、プロでも難しいのが現実です。
製品によっては色が限られる
市販されている木材補修パテにはさまざまな種類がありますが、色のバリエーションが少ないというデメリットがあります。
特に屋外用のパテは機能性が重視されるため、選べる色が「ナチュラルブラウン」「こげ茶」「ライトベージュ」など数色に限られていることが多いです。
これにより、補修したい木材とぴったり同じ色を見つけるのが難しく、補修箇所が目立ってしまうこともあります。特に、白木や塗装された明るい色の木材との相性は限定的です。
こうした場合は、補修後に塗料を上から塗る必要がありますが、下地の色によっては狙った通りの色に仕上がらないこともあります。実際の色は乾燥後に変化するため、施工前にテスト塗りをして確認するのが安心です。
屋外向け木材用補修パテの選び方

屋外対応(耐候性・防水性)の有無を確認する
木材補修パテを選ぶときは、その製品が屋外で使える仕様かどうかを必ず確認してください。
屋外では、雨・紫外線・気温差など、木材にとって厳しい条件が日常的に続きます。屋内用パテをこうした場所に使ってしまうと、数日〜数週間でひび割れたり、剥がれてしまうこともあります。
屋外対応と明記されているパテは、防水性や耐候性が高く、こうした環境でも安定して効果を発揮します。パッケージに「屋外OK」「耐水」「耐候性あり」といった表示があるかをチェックしましょう。
また、耐候性があるパテは紫外線に強く、色あせや劣化が起きにくい点もメリットです。屋外での使用が前提であるなら、最初から屋外専用品を選ぶのが安心です。
乾燥時間と作業可能時間のバランスを考慮する
木材補修パテを使う際には、乾燥時間だけでなく、作業可能時間にも注目する必要があります。
乾燥時間が早すぎると、塗り広げる前に固まってしまい、施工がしにくくなります。逆に遅すぎると、次の工程までに時間がかかり、作業が長引いてしまうこともあります。
作業可能時間とは、パテを出してから固まり始めるまでの間に自由に使える時間のことです。この時間が5〜10分程度の製品であれば、スムーズに形を整えながら作業でき、DIYでも失敗が少なくなります。
乾燥時間は季節や気温によっても変わります。特に寒い季節は固まるまでに時間がかかることが多いため、施工スケジュールを調整することも重要です。表示されている時間を目安に、計画的に進めましょう。
補修部分の色や仕上がりに近い製品を選ぶ
補修した部分が目立たないように仕上げたいなら、木材の色に近いパテを選ぶことが重要です。
市販されているパテには「こげ茶」「ナチュラルブラウン」「ライトベージュ」など、いくつかの色があります。ただし、すべての木材とぴったり合うとは限らず、色が合わないと補修箇所がかえって目立ってしまいます。
仕上がりを自然に見せたい場合、あらかじめ補修する木材の色を確認し、できるだけ近い色のパテを選ぶとよいでしょう。また、塗装予定があるなら「塗装可能」と書かれた製品を選ぶと、補修後に全体の色を整えることも可能です。
色は乾燥前後で変化することもあるため、目立たない場所で試し塗りをして確認するのが理想的です。
充填性・ペーパーがけ、が良好な製品を選ぶ
木材補修パテの使いやすさは、「どれだけすき間にしっかり詰められるか」「乾燥後にどれだけきれいに整えられるか」で決まります。
充填性が高いパテは、細かいひび割れや深い穴にもムラなく埋め込むことができ、隙間ができにくくなります。一方、サンディング性が良ければ、乾燥後にヤスリをかけて滑らかに整えることができ、仕上がりが美しくなります。
この2つのバランスが取れている製品を選べば、補修跡が目立ちにくくなるだけでなく、後から塗装をしてもムラが出にくくなります。とくに屋外では見た目も機能も求められるため、使いやすさは重要な要素です。
用途(大きな穴、細かい割れなど)に応じて硬化タイプを選ぶ
木材補修パテには、用途に応じたさまざまな硬化タイプがあります。
大きな穴や深い欠けを補修するには、硬化後にしっかり固まるタイプが適しています。こうした製品は厚塗りにも対応していて、強度があり、屋外でも安定して使うことができます。
一方、細かいひびや表面の割れを埋めるだけなら、柔らかくて塗り広げやすいパテの方が向いています。このタイプはなじみが良く、表面処理もしやすいため、仕上がりが自然になります。
屋外での木材用補修パテの使い方と施工時の注意点

補修前に木材の汚れ・水分・古い塗膜をしっかり除去する
補修作業の前には、木材の表面をきれいにすることがとても大切です。
木材の表面にホコリ、油分、カビ、古い塗料などが残っていると、パテがしっかり密着せず、数日で剥がれたり、ひび割れが起きる可能性があります。これでは、せっかくの補修が無駄になってしまいます。
特に屋外にある木材は、風雨によって汚れが蓄積しやすく、見た目にはきれいでも目に見えない水分やごみが付着していることがあります。パテの定着を良くするためにも、表面を軽く洗ってからしっかり乾かすと、より良い仕上がりが期待できます。
また、以前塗られていた塗膜がある場合は、ヘラや紙やすりなどでできるだけ除去しておくと、パテの密着が向上します。作業前のこのひと手間が、補修の持ちを大きく左右します。
適量を一度に塗らず、複数回に分けて丁寧に盛る
パテを使う際には、一度にたくさん盛ろうとせず、少しずつ重ねていくことが大切です。
一気に厚く塗ろうとすると、中までしっかり乾かず、表面だけ硬くなって中が柔らかいまま残ってしまうことがあります。この状態で研磨や塗装を行うと、補修箇所が崩れたり、ひびが入ってしまうリスクがあります。
複数回に分けて塗ることで、パテが均等に乾き、補修の精度が上がります。とくに深い穴や広めのひび割れには、数回に分けて少しずつ盛っていく方法が有効です。そうすることで、内部に空洞ができにくく、しっかりとした仕上がりになります。
手間はかかりますが、急いで作業しても結果的にやり直すことになれば、余計な時間と材料を消費することになります。焦らず丁寧に進めることが、成功への近道です。
完全に乾燥してから研磨・塗装を行う
パテが乾いていないうちに次の工程に進んでしまうと、補修の完成度が大きく下がります。
表面が乾いて見えても、内部が湿っていることはよくあります。この状態でやすりをかけると、削りすぎたり表面がボロボロになったりしてしまいます。塗装をしても色がうまくのらず、ムラになったり、すぐに剥がれる可能性もあります。
完全に乾燥した状態であれば、パテの表面はしっかり固まり、サンドペーパーで整えやすくなります。塗装もきれいにのるため、自然な仕上がりが期待できます。使用する製品の説明書に記載された乾燥時間は必ず守りましょう。
また、気温や湿度によって乾燥にかかる時間は変わるため、目安よりも長めに待つ方が失敗を防げます。きれいな補修を目指すなら、乾燥の見極めは非常に重要なポイントです。
まとめ:屋外で使える「木材用の補修パテ」おすすめ7選
補修パテは、見た目の回復だけでなく、木材の劣化を防ぎ長持ちさせるための大切なアイテムです。
中でも屋外での使用を前提としたパテは、耐久性や防水性が高く、雨や紫外線にも強い仕様になっています。
適切な製品を選び、正しい手順で使うことで、DIY初心者の方でも安心して補修作業に取り組めます。
補修作業を成功させるためには、「製品の特性を理解すること」と「丁寧な下準備・施工」が何より重要です。あなたの住まいの木部をしっかりメンテナンスし、美観と機能を保っていきましょう。